ED治療薬3種類の違い:シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルを添付文書で比べる

この記事の要点

  • 国内で勃起不全の効能で承認されている成分は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3つです。3つとも、添付文書の用法は「性行為の約1時間前」に飲む形です。
  • 違いが大きいのは、血中濃度の時間と食事の影響です。半減期は、シルデナフィルとバルデナフィルが数時間、タダラフィルが約14〜15時間と書かれています。食事について、タダラフィルの添付文書は「食事の有無にかかわらず投与できる」としています。
  • 勃起不全の効能で毎日飲む用法は、3つのどの添付文書にもありません。タダラフィルを毎日飲む用法は前立腺肥大症に伴う排尿障害の効能のもので、ED目的で毎日飲むのは適応外使用です。

動画で見る(約5分)目次を押すと YouTube のその場面から開きます

  1. 0:00 はじめに
  2. 0:25 3つの成分に共通すること
  3. 0:57 血中濃度の違い
  4. 1:45 食事の影響
  5. 2:07 安全のために
  6. 3:02 後発品(ジェネリック)
  7. 3:21 毎日飲む用法(適応外使用)
  8. 3:42 市販のタダラフィル
  9. 4:01 まとめ
目次
  1. 結論:用法は3つとも「性行為の約1時間前」。違うのは血中濃度の時間と食事の影響です
  2. 3つの薬に共通すること
  3. 飲むタイミングと、血中濃度の時間
  4. 食事の影響
  5. 主な副作用
  6. 先発品と後発品(ジェネリック)
  7. 毎日飲むタダラフィル(デイリー)という選択肢
  8. よくある質問
  9. 出典と確かめた日
  10. 本治療に関する注意事項

公開日 / 最終更新日

国内で勃起不全(ED)の効能で承認されている飲み薬の成分は、シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルの3つです。 先発品の名前でいうと、バイアグラ・レビトラ・シアリスにあたります。

このページでは、3つの薬の違いを、添付文書とPMDA(医薬品医療機関総合機構)の公開情報だけで並べます。 どの薬が合うかは、持病や飲んでいる薬によって変わるため、医師が判断します。

結論:用法は3つとも「性行為の約1時間前」。違うのは血中濃度の時間と食事の影響です

シルデナフィル バルデナフィル タダラフィル
先発品 バイアグラ錠・バイアグラODフィルム レビトラ錠(いまはPMDAの検索に載っていない。下の節) シアリス錠
後発品(ジェネリック) あり(名前に「VI」が付く) あり(バルデナフィル錠「FCI」「サワイ」「トーワ」) あり(名前に「CI」が付く)
国内で承認されている効能 勃起不全 勃起不全 勃起不全(シアリス錠・CI)
飲むタイミング(用法) 性行為の約1時間前 性行為の約1時間前 性行為の約1時間前
通常の量 25mg〜50mg 10mg(20mgまで増量できる場合あり) 10mg(20mgまで増量できる場合あり)
飲む間隔 1日1回まで・24時間以上あける 1日1回まで・24時間以上あける 1日1回まで・24時間以上あける
血中濃度がピークに達するまで 約0.8〜0.9時間(25mg・50mg) 0.75時間(中央値) 3時間(中央値。0.5〜4時間)
半減期 約3.2〜3.3時間(100mg・150mgの試験) 約3.2〜4.0時間(10mg・20mg) 約14〜15時間
効果が続く時間の記載 無い 無い 「投与後36時間まで有効性が認められている」
食事の影響 食事と一緒に飲むと、効き始めが遅れることがある 標準的な食事の直後に飲んでも、血中濃度に影響は見られなかった(外国人データ) 食事の有無にかかわらず飲める
毎日飲む用法 無い 無い 勃起不全の効能では無い(下の節)

(出典:バイアグラ錠・バルデナフィル錠「FCI」・シアリス錠の添付文書 4. 効能又は効果・6. 用法及び用量・7.・14.1・16. 薬物動態。PMDAの医療用医薬品 情報検索。いずれも2026年10月24日に確認)

  • 3つとも、性行為の前に飲む形の薬です。飲む間隔は、どれも24時間以上あけると書かれています。
  • 数字が大きく違うのは半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)で、タダラフィルはほかの2つより長く書かれています。
  • 血中濃度の時間は、効果が続く時間そのものではありません。 効果が続く時間を添付文書に書いているのは、3つのうちタダラフィル(シアリス錠)だけです。

3つの薬に共通すること

3つの成分は、どれもPDE5阻害薬と呼ばれる種類の薬です。 添付文書には、3つに共通して次のことが書かれています。

  • 催淫剤又は性欲増進剤ではない(性欲を高める薬ではありません)
  • 硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン等)を使っている人には投与しない(禁忌)。 併用で血圧が下がりすぎることがあるためです
  • 1日に飲むのは1回まで

(出典:3剤の添付文書 1. 警告・2. 禁忌・5. 効能又は効果に関連する注意・6. 用法及び用量)

用語の意味はED治療の用語集にまとめています。

飲むタイミングと、血中濃度の時間

添付文書の用法は、3つとも「性行為の約1時間前に経口投与する」です。

血中濃度について、添付文書の薬物動態の項には次の数字があります。

血中濃度がピークに達するまで 半減期 試験
シルデナフィル 25mg:0.8時間、50mg:0.9時間(平均) 3.23〜3.31時間(100mg・150mgでの値。25mg・50mgの値は表に無い) 健康成人20名
バルデナフィル 0.75時間(中央値) 10mg:3.19時間、20mg:3.98時間 日本人健康成人男子18例
タダラフィル 3時間(中央値。0.5〜4時間) 約14〜15時間 日本人健康成人36例

(出典:バイアグラ錠 添付文書 16.1.1、バルデナフィル錠「FCI」添付文書 16.1.1、シアリス錠 添付文書 16.1.1)

シアリス錠の添付文書には、「本剤は投与後36時間まで有効性が認められていることから、その期間は安全性について十分配慮すること」と書かれています(14.1.2)。 バイアグラ錠とバルデナフィル錠の添付文書には、効果が続く時間の記載はありません。

効き始めや効果の続く時間には個人差があります。 このページの数字は、試験での血中濃度の数字です。

食事の影響

添付文書の記載
シルデナフィル 「食事と共に本剤を投与すると、空腹時に投与した場合に比べ効果発現時間が遅れることがある」(7.)。食後に飲んだ試験では、血中濃度がピークに達するまでの時間が1.8時間延びた(16.2.1)
バルデナフィル 標準的な食事(脂肪がエネルギーの約30%)の直後に飲んだ試験で、血中濃度(AUC・Cmax)に食事の影響は認められなかった(16.2.2。外国人データ)
タダラフィル 「本剤は食事の有無にかかわらず投与できる」(14.1.3)

(出典:バイアグラ錠 添付文書、バルデナフィル錠「FCI」「サワイ」「トーワ」添付文書、シアリス錠 添付文書)

バルデナフィルの記載は「標準的な食事」での試験のものです。脂肪の多い食事での記載は、確かめた3社の添付文書にはありませんでした。

主な副作用

各添付文書の「その他の副作用」の表で、頻度が1%以上の欄に書かれている項目です。

1%以上の欄に書かれている項目
シルデナフィル 血管拡張(ほてり、潮紅)、頭痛
バルデナフィル ほてり、心悸亢進(動悸)、頭痛、めまい、鼻閉(鼻づまり)、消化不良、嘔気(吐き気)
タダラフィル 潮紅、消化不良、背部痛、筋痛、四肢痛、頭痛、鼻閉

(出典:バイアグラ錠 添付文書 11.2、バルデナフィル錠「FCI」添付文書 11.2、シアリス錠 添付文書 11.2)

頻度の数字は比べていません。 試験の対象・用量・期間がそれぞれ違い、同じ物差しで並べられないためです。

3つの添付文書に共通して、4時間以上勃起が続く場合はすぐに医師の診察を受けるよう書かれています。 また、急に視力が落ちたときは服用をやめて眼科を受診するよう書かれています。

先発品と後発品(ジェネリック)

成分 先発品 後発品の名前と規格
シルデナフィル バイアグラ錠25mg・50mg、バイアグラODフィルム25mg・50mg(ヴィアトリス製薬) シルデナフィル錠25mgVI・50mgVI(複数社)、シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」
バルデナフィル レビトラ錠(いまはPMDAの検索に載っていない) バルデナフィル錠5mg・10mg・20mg「FCI」、10mg・20mg「サワイ」「トーワ」
タダラフィル シアリス錠5mg・10mg・20mg(日本新薬) タダラフィル錠10mgCI・20mgCI(複数社)

(出典:PMDA 医療用医薬品 情報検索。2026年10月24日に確認)

厚生労働省は、後発医薬品を「先発医薬品と成分や規格等が同一で、治療学的に同等であるとして承認される医薬品」と説明しています (出典:厚生労働省 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について)。

バルデナフィルの先発品(レビトラ錠)について

2026年10月24日にPMDAの医療用医薬品 情報検索で確かめたところ、バルデナフィルの製品として載っているのは後発品3社のものだけで、先発品のレビトラ錠は載っていませんでした。 後発品の添付文書では、試験で比べた相手として「レビトラ錠20mg」が書かれています。

国内の医療機関で処方されるバルデナフィルは、いま検索で出てくる製品としては後発品です。

タダラフィルの「CI」「ZA」「AD」

タダラフィルの後発品は、名前の末尾で効能が分かれています。 勃起不全の効能を持つのは「CI」(10mg・20mg)です。 「ZA」は前立腺肥大症に伴う排尿障害、「AD」は肺動脈性肺高血圧症の効能で、勃起不全の効能はありません。

規格ごとの一覧はタダラフィルのジェネリック(後発品)とは?にまとめています。

毎日飲むタダラフィル(デイリー)という選択肢

ここまでの3つの薬は、勃起不全の効能では、どれも性行為の前に飲む用法です。 毎日飲む用法は、3つのどの添付文書にも、勃起不全の効能としては書かれていません。

タダラフィルには、毎日1回飲む用法を持つ製品があります(ザルティア錠2.5mg・5mg、後発品の「ZA」)。 ただし、その効能は前立腺肥大症に伴う排尿障害で、勃起不全ではありません。 ED目的でタダラフィルを毎日飲む方法(デイリータダラフィル)は、国内で承認された用法ではなく、適応外使用になります。 適応外使用のため、重い副作用が出ても医薬品副作用被害救済制度の給付の対象とならない場合があり、給付を保証することはできません。

それでも、低用量のタダラフィルを毎日飲む方法を、自由診療で扱っているクリニックがあります。 どう違うのか、何に気をつけるのかは、次のページにまとめています。

よくある質問

バイアグラとシルデナフィルは、同じ薬ですか

バイアグラは先発品の名前で、シルデナフィルは成分の名前です。 シルデナフィル錠25mgVI・50mgVIなどの後発品は、厚生労働省の説明では、先発品と成分や規格等が同一で、治療学的に同等であるとして承認された医薬品です。 レビトラとバルデナフィル、シアリスとタダラフィルも、同じ関係です。

3つのうち、どれを選べばよいですか

このページでは、どれがよいかは扱っていません。 3つの薬は、禁忌(飲めない人)や併用してはいけない薬の書き方が少しずつ違います。 持病・飲んでいる薬・生活に合わせて、医師が判断します。受診のときは、飲んでいる薬をすべて伝えてください。

レビトラは、いまも処方されていますか

2026年10月24日にPMDAの検索で確かめたところ、バルデナフィルの製品として載っているのは後発品(バルデナフィル錠「FCI」「サワイ」「トーワ」)だけで、先発品のレビトラ錠は載っていませんでした。

毎日飲めるED治療薬はありますか

勃起不全の効能で毎日飲む用法は、3つのどの添付文書にもありません。 タダラフィルを毎日飲む用法は、前立腺肥大症に伴う排尿障害の効能のものです。 ED目的で毎日飲むのは適応外使用になります。

薬局で買えるED治療薬はありますか

タダラフィル10mgの「シアリス」(エスエス製薬)が、要指導医薬品として2026年5月20日に承認されています。 薬剤師が在籍する店舗で、チェックシートへの回答と薬剤師の確認を受けて、18才以上の本人が購入します。 用法は「性行為の約1時間前に1回1錠」です。上の表は医療機関で処方される製品で、これとは別の扱いです。 詳しくはタダラフィルは市販で買える?をご覧ください。 (出典:PMDA 要指導医薬品 シアリス。2026年10月27日に確認)

食事のあとに飲んでも効きますか

添付文書の記載は、成分ごとに違います。 シルデナフィルは「食事と共に投与すると効果発現時間が遅れることがある」、タダラフィルは「食事の有無にかかわらず投与できる」と書かれています。 バルデナフィルは、標準的な食事の直後に飲んだ試験で血中濃度に影響が見られなかったと書かれています。 効き方には個人差があります。

出典と確かめた日

いずれも2026年10月24日に、PMDAの医療用医薬品 情報検索から取得して読みました。

添付文書は改訂されることがあります。服用については医師・薬剤師にご確認ください。

本治療に関する注意事項

  • 本治療は自由診療(保険適用外)です。費用は全額自己負担となります。
  • タダラフィルは国内で勃起不全(性行為の前に服用する用法)や前立腺肥大症等の治療薬として承認されていますが、 ED治療を目的とした連日服用は国内で承認された用法ではなく、適応外使用です。
  • 適応外使用のため、重篤な副作用が生じた場合も 医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
  • 本サービスは20歳以上の方を対象としています。
  • 服用の可否は医師の診察により判断されます。自己判断で服用しないでください。
  • 硝酸剤(ニトログリセリン等)やリオシグアトを使用中の方、重度の心疾患・肝障害がある方などは服用できません。 毎日飲む用法の製品では、重度の腎障害がある方も服用できません。 条件は製品ごとに異なるため、医師が添付文書の禁忌で確認します。
  • 亜硝酸系の吸入剤(ラッシュ・ポッパーズ等)を使用している方、または使用する予定のある方は服用できません。 併用すると急激な血圧低下を起こすおそれがあるためです。
  • 効果・副作用には個人差があります。
  • 諸外国の情報:米国ではEDに対し、タダラフィル2.5mgを1日1回服用し、 効果と忍容性に応じて5mgに増量する用法が承認されています。EUでも2.5mg・5mgの1日1回の用法があります。 海外の添付文書でも、硝酸剤との併用による過度の血圧低下、持続勃起、突然の視力・聴力の低下、 心血管系の事象などへの注意が示されています。 海外での承認は、日本でのED目的の連日服用の承認や、すべての方に対する安全性を意味するものではありません。

お問い合わせ先:info@medical-ishin.com